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グランフォンド糸魚川 完走 ~最終回~

2005年10月05日 23:53

はい。
ということで私、人生で初めてハンガーノックというものになってしまったのだ。

ほどなくして回復したのだから実は違うのかもしれないし、なりかけを寸でのところで回避できたのかもしれない。ただ、はっきり言えることは、本当に突然ストーンと落ちちゃってなにがなんだか分からなくなったその落差。その唐突さ。脚の売り切れとは異質のあの無力感は肉体と同時に精神状態にも悪影響を及ぼしたことに思い起こすほど怖くなる。
あそこで社長さんに拾ってもらえなかったら・・・


さてさて、そんなコース最難関とされる長い山岳エリアを下ってきた第三エイドステーションまでが前回。これからゴールまでを一回のエントリーで書き終えることができるのか?まだまだ続く上りのように遅々と進まない予感の最終回~。


《ひぃ~脚が攣る~》

腹が減ってるわけでも、ハンガーノックに見舞われたと自覚してるのでもない。参加費分はしっかり食わせてもらいまっせっていうみみっちい考えでおにぎりといなり寿司と笹団子、それぞれ二個づつ平らげる。いやいや、しかしこれホントに美味しくって何個でもいけそう。

テーブルにはてんこ盛り。もっと食べたいんだけど他の方達の分だってあるわけだ。スタッフは何個でもどうぞと言ってくれるのだがそうもいかない。私がビリで到着したのならこれ全部もらって帰るけど(笑
んで、ここを通過していったのはまだ4人だという。この何気ない一言に皆様ピクッと反応。やはり本能的に速く走りたいのだね。私はタバコでも吸おうかと思っていたのだが、社長さんの「ん、行こ」との静かでさり気ないアタックに半数が反応。私も慌ててもう一個いなり寿司放り込み「待ってくり~」


(後に、数名がこの第三エイドステーションをコースロストのためにパスしてしまったことが判明。つまり4人以上が先行していることになる。やはりあそこの農道分岐が判り難かったようだ)

社長さん、なまら調子良いみたい。一緒に走るというより追いていくので精一杯なのだがすごく楽しい。やあ、気持ちいい~!
逃げの先頭を追う選手になりきって二人、短い国道区間を快調に飛ばす。振り返っても他の方は見える範囲に居ないからよっぽど速かったのだろう。
(あん時実はすっごく気持ち良くってさぁ、とは社長後日談)


ん。短いとはいえそんなペースに私がいつまでももつわけない。どうやら先日故障した左脚をずっとかばって走ってたらしく今度は右脚にきた。まるで魚釣りのアタリのようにピクンッ、ピクンッときた。ヤバイなぁ。。。

気持ちは急くのだが脚にムチ入れるのも不安。徐々に引き離され、これ以上攣らないように祈りながら回す。なにしろこれから後半の山岳区間だ、攣ったら最後どうにもならない。
そうだ、速く着くことが目的じゃない、絶対に完走するんだ。頑張れ、俺の筋肉。



《道がめくれ上がってますぅ~》

右折して現れた激坂。な、なんだよ、なにが言いたいんだよこれ?


勾配15%。
数字で見れば大したことのないように思える。斜度を表す数字ってのは、私にとってスキー場での28度とか35度とかそういったものの方が馴染み深い。ロードレース中継を観ていて「最大勾配13%の厳しい峠が・・」といった言葉はよく聞くが実際のところピンときてなかった。いつもの弥彦だって本当は何%なのか知らないから実感として比較できないのだ。しかし今日は明確な数字で”15%”があると、それってかなり急なんだと聞いていて実は楽しみにしていた。自転車の世界でいう”激坂”ってどういうものなんだろう。ワクワク~♪


冗談じゃねーよ!(汁

泣きそうだったよ、マジでー!!


道を間違ったんじゃないかと思った。15%ってこのことをいうのか? こ、これ、自転車で走っていい坂じゃないね?違うね?うん、違う違う、こ、こんなの登山道だもん。
ねえ、嘘でしょ?ちょっと待ってよ、こんなのどうやって上んの??バカじゃねえのか、おまえー。俺の脚さっきから攣ってるの知ってんだろー。


最初のクランク2回転で、あまりの重さに気が動転した。
降りて押すのだけは絶対に嫌だとの意地が勝っていたが、それにしたってこれ、どうしたらいいのだ。攣ってる脚がまだ攣ろうとしてる。もし降りたら多分その瞬間に痙攣する雰囲気。たまらず立ち漕ぎ。って、尻上げるだけでヒクヒクいうじゃないか。

騙し騙し、ここはもう当然一番軽いギアで、それでも悶絶してしまう。
おっと、社長さんもいるじゃないか。後続の皆さんも追い付いてきて団子になってきた。なにやら蛇行してるので真似てみると、なるほど少しはマシな模様。


「・・・くくっ」
「・・・うほほ」

お隣さんと目が合って思わず笑い合う。
なんとなく共振するものを感じた瞬間(笑


私達はいったいなにをやってるんだ。いい歳こいた大人がこんなバカみたいな坂で悶えながら・・・、し、しかも、自転車なんかで、、、くっ、くくっ・・・し、しかも歪んだ顔で笑いながらだよ・・・お、お、大雨ん中で・・・ワハハハハ



しかし回してさえいればいつかは終わる。
越えてみれば短い激坂だったが、それにしても迫力満点だったなぁ。マジでちょっと怖かったものなぁ。

勾配が緩んだ時は凄く楽に感じたが、まだまだ続く坂はいくらもしないうちにやはり辛くなってくる。先程が異常なわけで、でもまだあるかもしれない。。先が分からないってのは実にいやらしい。神様、あんなのもう有りませんようにと願いながら見回すと3名になっていた。あ、DHバーさんだ。どうもどうも。
行っちゃった人は行き、落ちちゃった人は落ちた模様。後方で昇天する声が聞こえる(笑


あと二つ。あと二つ。

気を抜くなと自分に言い聞かせ、回転を数えながら無の境地で上る。
脚のことも、怪我のことも忘れ、なにかに取り憑かれたような、あるいは抜けていったような感じで黙々とゆく。


クリクリクリクリクリクリ。

クリクリクリクリクリクリ。


どれほど上ったのだろう。



ふ。

ふ、とこみ上げるものが。


笑いが(笑


先程の男達の悶絶ぶりを思い出して力が抜ける。
降参寸前だったのに楽しくって仕方なく感じてる自分がいた。
これ下ったらまた上れる。まだ二回も上れるじゃないか。

どうしてそんな気分になったのか不思議なのだが、とにかくその時は急にルンルンしてきたのだから人間わからない。

3人の先頭になってピークに出た。ふぅ。
気の良さそうな顔したスタッフのおじさんが労ってくれる。

「あと下るだけ。ずぅ~っと下るだけですわ。さっきの人ら喜んで行ったわ。転ばんよう気をつけて下さい」

「え?」

「海までずっと下るから、そしたら三叉路右に曲がって休憩ですわ」

「え、え?まだ山ありますよね?」

「ワシが最後の山です(笑)全部下るだけ」

「なんだ、終わりですかぁ~。ひゃぁ~」



私は勘違いしていたのだった。第三エイドステーションを出た時点でどういうわけか後半戦あと三つって信じ込んでいたのだ。
損したような得したような複雑な気分。いや、やっぱり得したというべきだろう。まだまだという気構えがあったからこそ、さほど苦しまずに上れたのだから。


そうとなったらなったで山とのお別れが名残惜しい。
どこかで座って山眺めたい。

こんな天気で眺望などまったくアウトなのにそう思った。
下りの途中で良さそうな場所があったら一服しよう。そうだよ、もっと山に居たいんだよ。今までどの山もゆっくりしてないじゃないか。せっかくなんだもん、一回くらいご褒美に休もうよ。





  *  *  *  *  *


ってことで休憩。

ほら、終わらなかった(笑


 ~次回「いよいよゴール編」へ続く~


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