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グランフォンド糸魚川 完走 ~本当の最終回?~

2005年10月10日 14:56

この峠が最後とは思っていなかったばかりに頂上で拍子抜けしちゃって笑ったところまでが前回。

なんだもう終わりか、おいおいこんなもんかと少々不遜な気持ちになる。まったくもって不思議なのだがあの時はいくらでも上れそうな気がしてたのだ。もし、これから富士山アタックしようと誘われたら喜んで行くだろう、乗鞍ヒルクライムならたとえ雪でも小躍りして行く、そんなある種のハイにあったのだ。

コケるわハンガーノックになるわ脚も攣るわで、朝から便も我慢しっ放しのくせによく言うよなぁ。なんともおめでたい男である。


さ、泣いても笑っても山は終わり。残された距離を味わって帰ろう、な最終回。
今日こそ本当に最終回! にするのだ!


《俺は上り続けたいのだー》

無我の境地にあって軽くトリップしてたのか。
苦しいはずの上りがちっとも苦にならない。ひたすら上って、上って上って天まで昇ってそのままゴールしたい。(それは死じゃないか?笑)

下りを避けたい、下り=落車の恐怖から逃げ出したい気持ちが心の底にあったのかも。畏れにも似た心の弱さが、必ず下らなきゃならない現実から逃れ、なにかにすがり付きたい本能が手っ取り早く今まさにある「上り」だったのか。

しかしこの道、もう下りしかないのだ。逃げられないのだ。



ズズーッ!


また滑った。

う、うう・・・。

も、もうダメ・・・・・。


怖い。


雨中走行であっという間に減ったブレーキシュー。レバーの引き代はもう倍ほどになってるうえにヌルヌルして効かない。不安なもんだからコーナー手前でギュッと握ってしまって後輪ロック&オーバーランの失態。ビビって倒せないと、自転車は曲がらない。

幸い落車は逃れたが、一気に現実へ引き戻された瞬間。



《前代未聞の「押し」で下る?》

自転車界において、上りの苦しさに降りて押すことはこの上ない恥とされる。

いや、実際は自分の身体と根性と相談して押すことやむなしの場合もあるだろう。それで無理して痙攣した挙げ句リタイアの方が私は恥だと思うが、少なくとも「剃り系」と呼ばれる種のロードマン達にとって「押し」はヨダレ・鼻水・ゲロにまみれるよりも恥なのだ。ううん、時にそれら体液は「勲章」とさえ呼ばれるのだからなにをかいわんや(苦笑)
言うまでもなく「剃り系」とはスネ毛を剃ることさえ厭わない本気印の男達のことである。


そんな「剃り系」の門を叩いた私であるが、今まさに、初めて降りて押そうかと苦悶している。下りで(苦笑

プライドもへったくれもない。恐怖に対して消耗しきった私に唯一残された選択肢、それは恥も外聞もかなぐり捨てて「押す」しかない。
それでも最後の最後、ぎりぎりの際でそれが出来ずに半泣きでいくつかのコーナーをやり過ごす。後ろに人がいるだけでプレッシャーに潰れそうなので先に行ってもらう。な、なんと情けない・・・。

無限に感じる下り。あまりに長い。いつまでこの下りは続くのだ。。
レバーを握りしめる手もいよいよ痺れてきた。寒い。要らんチカラも入っちゃって上半身ゴリゴリの悪循環。


押さない。押さないが、しかし止まろう。これはもう精神が限界だ。ゴメンナサイ・・・

頃合いよく現れた草場のエスケープゾーンへ。久しぶりの地面の、この安心感。えも言われぬ安堵にただの枯れた草藪がお花畑のように感じる。嬉しさのあまりその場をくるくる歩き回る。ああ、ここは天国か。。

深く一服。人心地ついて、ようやく周囲を見回す余裕。

静かだ。雨に煙る山。
うん、悪くない。悪くないよ。

ふぅ~



 キュルキュルのル~


!!

キターー!うんこりんキターーー!!


 

野糞など平気。むしろベテランと自負する。だがしかし場所が悪い。ここは右コーナーのアウトの少し奥まった地帯なのだが、自転車を隠す物がない。これからどんどん後続が来るだろう、コース外に不自然に自転車が横たわっていて、その傍らでしゃがんでいたら多くは落車でうめいてると助けにくるだろう。私ならそうする。真っ先に尻が見えれば、それはパンツが破けてしまったと、おい大丈夫かと心配するのはこの日のライダー達にとってごく自然なものだ。
その時どう応対すべきか、はたして大人の振る舞いが出来るか。

そこまで冷静に考えて「エイッ」と飲み込んだ。そんな究極の場面での気の利いた話術は持ち合わせていない。小便だって朝からしてないのだが、今の私に便意解放を大小使い分けられる器用さがあろうはずもない。封印だ、封印。便意封印。

その間10分と経ってなかったと思う。3人の選手が少し心配そうに、あるいは不思議そうな顔をこちらに向けながら下っていった。


行くしかない。のんびりしていたのではまた何時襲われるやしれぬ。少なくとも動いていれば便意は忘れられる。最悪でもラストのエイドステーションまでもってくれ。頑張れ、俺の肛門。負けるな括約筋。なんとも情けない己の奮い立たせようだが走り出すきっかけにはなった。よし、行こう。行くしかない。


venga! venga~!
(スペイン語。英語でのcome on! 。自転車界ではお馴染みの掛け声)

笑えないダジャレのような気合いを自分で自分に、ほんとに声に出して走り出す。

眉ひそめず想像していただきたい。自転車に乗る、尻とサドルのその関係を。その振動を。直だ、ちょく。こ~れは厳しい!火に油を注ぐとはこのことじゃないか。それでなくても私はこの下りで人生最悪の恐怖をイヤというほど味わってパンク寸前なのである。



《wa-hahaha~!》

venga! venga!! venga!!!

恐怖に打ち克つため気合いを入れるのだが、チカラ込め過ぎると肛門が決壊してしまうという手加減した気合いで、これ以上ないというくらい中途半端にコーナーを攻める。

絶対コケない、絶対決壊しないと信じるしかない。


venga venga~! ・・・・  。 よっしゃ、

venga venga~! ・・・・  。 よっしゃ~っ。

次ぃ~

venga venga~!


アプローチでベンガ、ブレーキングから息つめてコーナー、抜けてよっしゃ。
ひたすらこの繰り返し。頭ん中もうベンガベンガだらけだ。

いい加減腕も痺れる距離を下った。何十のコーナーをこうして抜けたのだろう。


venga! venga!! venga~!!!

wahaha~!! VIVA! ITOIGA~WA~!!


またも例によってトリップしてしまった(苦笑
いわゆるセカンドウィンドというやつだろうか、急に体中が軽くなりチカラが湧き出てくる。こりゃイケイケのノリノリだ。怖くない。もう怖くない。俺は今、もの凄く乗れてるんだ、一番速いんだ。この道は俺の道なのだー!


《笹団子の美味さに涙》

ようやく平地に出ていよいよ全開。広い道を、誰もいないこの道を栄光のシャンゼリゼのごとく駆け抜ける。時速50km/hオーバー、よーし!良い感じ!!これだ、これ!俺が一番強いのだー!
この時私はチッポリーニになりきっていた(笑
(注:音出ます)


「はい、お疲れ様でーす。最後のエイドステーションでーす」


スタッフの方が飛び出してきて棒を振る。
一瞬警察かと思った(笑


やったぞ。

心の中で軽くガッツポーズ(再笑
ゴールでもなんでもないのになぜだ(再々笑


勝った。俺は勝ったんだ。
恐怖に、怪我に、便意に。

あとは20km、平坦だけ。しかも西の追い風と聞く。

おもわずこみ上げるものが。

笑いが(だからなぜ・笑)


スタッフのお母さん方とバカ話で盛り上がる。トイレのこともすっかり忘れ、笹団子を立て続けに3つ食う。履歴書には聞かれてもいないのに「好物 チョコレートと団子」と書く勢いの無類の甘党だ。ずんだ餅つまみに酒飲める私にしてここの笹団子の美味さに震え上がる。これは芸術か奇跡か。
もう断言する。新潟名物笹団子、私も大好物の笹団子で一番美味しいのはここ、能生の団子だ。

もう、美味すぎて笑っちゃう。
社長さん達もあまりの美味さに笑っちゃってポケットに詰めてきたそうだ(笑


ホント、美味くて笑うの。人は、美味いと笑う。
美味すぎるから笑いすぎて涙が出る。

自転車に乗ったら笹団子。
これは法律だ。(2005年10月2日制定)



  *  *  *  *  *


さ、笹団子食いたくなってきた。。

ダ、ダメだ、今日はもう終わり!

いつまで続くのか、グランフォンド糸魚川回想記!


コメント

  1. roba | URL | -

    突然のおじゃまですが、GF糸魚川レポ、最初から読ませてもらっていますが、お、面白すぎ~!最高ですよー!

  2. みわ | URL | -

    robaさん、はじめまして&ようこそ!
    自転車乗りでいらっしゃいますか?で、ロバのように遅いのでしょうか?(笑

    いやスイマセン。
    venga! venga~!はですね、自分でも書いてて笑っちゃいました。あの時はダジャレでもなんでもなく真剣に自分を励ましてたんですけどね。
    なにしろあの便意ですもの、朝の、いわばルーティンのような便意じゃないんす。奴にははっきりと強く熱い意志が感じられました。
    「おい、出せ!ここから出さねえと破裂してやるぞ!」と。
    ホントはうんこりんなんて可愛げなもんじゃなかったのです。かなり野蛮で、何度か脱出も試みていたようですよ(笑

    自転車に乗ってると望んでもいないのに次から次へと愉快な出来事が起こります。なにかこう喜怒哀楽がムキ出しになっちゃうんですよね。

    この調子だと回想記はあと5回くらい続きそうです(汁          

  3. エイド4のおばはん | URL | ddiXqN.w

    エイド4にはトイレがあったんですけど結局使わなかったんですね?

    続きを楽しみにしています。

  4. みわ | URL | -

    あそこにいらっしゃったおばはんですか!(笑

    寒い中お疲れ様でした。お陰様で楽しく走ることができました。

    トイレには気付いたのですが、笹団子のあまりの美味しさに奴も出る幕無かったようです。

    あれだけの量だともしや沢山余ってしまったんじゃないですか?皆さんで山分け??あー、あの笹団子食いたい!

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