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運命を分けたザイル

2005年11月20日 22:00






とにかく凄い映像。

美しく、すさまじい。
いったいどうやって撮影したんだろう。


オフィシャルサイト




実話再現フィルムといってしまえばそれまでなのだが、なだけに有無を言わせぬ凄みがある。体感温度マイナス60℃がそのまま伝わってくる。観てるこちらの指先や鼻も凍傷にやられそうな錯覚に陥ってしまう。実は我が家では雪が積もるまでストーブは使わないぞと意味の無い意地を張って生活しているのだが、実際のところ指も鼻もひどく冷たい。外は雪がちらついていたりと、期せずしてちょっとしたバーチャル鑑賞環境なのだが、それでも映像の中の比ではない。当たり前だ(笑


余計なストーリーは一切無く、そのままの事実を当事者のインタビューと映像だけで淡々と進めていく。息苦しささえ覚える映像と対象的なテントキーパーの朗らかな表情が妙にリアルだ。そう、彼にとっても長い一週間だったことだろう。



二人を結ぶ命綱のザイル。一方が落ちた。

このまま二人とも死ぬか。自分だけでも生き残る為に切るか。


自分ならどうするかを念頭に置いて観るとより圧迫感が増すだろう。
私も登山家の端くれであるが、こういった事は常に意識して生きている。なにも山でザイルが張った時だけが”決断”を求められるというものでもない。


私は切る。


もちろんベストは尽くす。その状況で出来うる全てを試みて、その結果、そうせざるを得ないとなったら、切る。逆の立場であったなら切られて構わない。それが私にとってのザイルパートナーだと考えるが、唯一例外はある。妻と、子供と組んだのならその張ったザイルは絶対切らない。



切った瞬間の感触を想像してみる。手応えの無くなったザイルをたぐりながら何を考えられるだろう。

いや、考える必要が無くなったから切るのか。


切られたとする。落ちていく時に何を思うだろう。

相手を恨むだろうか。己を恨むか。



まったく、こんなこと軽々しく口にするのは気が進まないが。。



  *  *  *  *  *



登山愛好家だけでなく、できるだけ多くの人に観てもらいたいと思う映画だった。私なぞが押しつけがましくこう言うのも変だが、本当にそう思った。


ようし、ついでにもうひとつ押しつけてやろう。

これを読んでみてほしい。


yumemakura.jpg



神々の山嶺 <上・下巻>:夢枕 獏 著


ちょうどこれからの寒い季節にお誂え向きの一冊。
ストーブなんか消して、凍える夜に寝袋にくるまって読むといい。アウトドア遊びが好きという貴方なら是非テント持ち出して、山の静寂の中でどうぞ。かなり効くこと請け合い。もう、押し売りして歩きたいくらいオススメである。



最後に。

「運命を分けたザイル」

この邦題にはどうしても納得がいかない。


コメント

  1. のむ | URL | xsqMgmtY

    こんにちは。
    私は山岳小説が好きで新田次郎の作品とかよく読むんですが(「神々の山嶺」も読みました~)、「運命を分けたザイル」は観たことがないんです。
    すでに劇場公開は終わって、DVDですよね~。今度借りてこようと思います。
    最近では「ジャンキー・ジャンクション」(谷甲州)を読んで、新田次郎や夢枕獏にはさすがに及ばず(?)ですがなかなか面白かったです(^_^)。

  2. みわ | URL | -

    おー、のむさん( ´ ▽` )ノ
    (事情があって顔文字づいてます・笑)

    次郎は最高ですね。山を始めてから貪り読みました。山モノはもちろんですが「アラスカ物語」も好きです。

    ジャンキー・ジャンクションはですね、なんと先週買ってました!表装の写真で思わず。

    近所の山も雪が積もりましたので明日は山スキーです。こちらは自転車シーズン終了ざんす~(;´д` ) トホホ

  3. reo | URL | -

    原作

    どうも。
    題名を覚えていないのですが、たぶんこの映画の原作を読んだと思います。
    おもしろかったです。
    本のタイトルそのままの方がよかったと思うけどなあ。
    覚えていないけれど。

  4. みわ | URL | -

    どうも。

    (笑

    原作は「TOUCHING THE VOID」(邦題「死のクレバス アンデス氷壁の遭難」)ですな。
    去年読んだけど、これは映画の方が面白かったです。いや、両方セットでより楽しめる好例かな。

    わかりやすくアピールする為に邦題を付けるのも理解できるんですが、どうも「???」なのが多いのはなぜ?

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